ブッシュ(子)
ジョージWブッシュとはどのような人物か
ジョージ・W・ブッシュ(子)は2001年から2009年まで第43代アメリカ合衆国大統領を務めた政治家である。父のブッシュ(父)も第41代大統領であり、親子二代で大統領を務めた。冷戦後の米国外交を決定的に転換させた指導者である。
経歴
ブッシュ(子)は1946年生まれ、テキサス州知事を経て2000年の大統領選挙で共和党から出馬した。対立候補のアル・ゴアとの接戦は連邦最高裁判所の判断で決着し、論争的な就任となった。
政権の基本性格
新保守主義(ネオコン)の影響を受け、米国の力による世界秩序の再編を掲げた。減税政策や教育改革など国内政策も行ったが、任期の大半は対テロ戦争と中東政策が中心となった。
ブッシュ(子)政権の対外政策はどのような特徴を持つか
ブッシュ(子)政権は、単独行動主義と先制攻撃論を基調とする対外政策を展開した。
単独行動主義(ユニラテラリズム)
国際合意より米国の利益を優先する立場から、京都議定書離脱、ABM制限条約離脱、国際刑事裁判所非参加など多国間枠組みからの離脱を進めた。これはクリントン政権の多国間協調路線との対照となった。
ブッシュ=ドクトリン
2002年の一般教書演説で、テロ支援国家と大量破壊兵器保有国を悪の枢軸と呼び、先制攻撃を正当化した。これをブッシュ=ドクトリンと呼ぶ。自衛の概念を拡張し、攻撃を受ける前に排除することを国際戦略の一部とした。
ブッシュ(子)政権はどのような戦争を行ったか
ブッシュ(子)政権は、対テロ戦争と呼ばれる一連の軍事行動を主導した。
アフガニスタン戦争
2001年10月、9.11事件の報復としてアフガニスタン戦争を開始し、タリバン政権を短期間で崩壊させた。しかし、その後の治安安定化は長期化し、20年の軍事介入の出発点となった。
イラク戦争
2003年3月、大量破壊兵器保有とテロ支援を理由にイラク戦争を開始し、フセイン政権を打倒した。しかし大量破壊兵器は発見されず、開戦理由の正当性と国際社会の分裂を招いた。
ブッシュ(子)政権の遺産は何か
ブッシュ(子)政権は、冷戦後の米国一極構造の頂点と限界を同時に示した政権として評価されている。
米国一極構造の強化と疲弊
政権前半は米国の軍事的優位を象徴する時代となったが、イラク戦争の泥沼化と2008年の金融危機で米国の威信は大きく低下した。対テロ戦争の人的・財政的コストは後の政権にも重い負担となった。
多国間主義への反動
ブッシュ(子)政権の単独行動主義への国際的批判は、オバマ政権の多国間協調路線への転換を促した。一方でトランプ政権のアメリカ第一主義は、ブッシュ(子)期の一極主義の変奏としても論じられる。