第9章 国際政治の動向と課題

非同盟諸国首脳会議

非同盟諸国首脳会議

非同盟諸国首脳会議とは何か

非同盟諸国首脳会議とは、冷戦期の東西両陣営のいずれにも属さない非同盟諸国の首脳が集まる国際会議である。1961年にユーゴスラビアのベオグラードで第1回会議が開催され、以後およそ3年ごとに開かれている。非同盟運動の中核的意思決定の場として機能する。

会議の基本的性格

第1回会議の参加国は25か国であったが、現在は加盟国が120か国を超える。国連加盟国の過半数を占めるほどの規模に発展している。議長国は開催国が務め、次回開催まで対外的な代表機能も担う。

首脳会議のほか、閣僚会議、専門家会議なども開催されており、非同盟運動は多層的な意思決定機構を持つ国際的枠組みとなっている。

非同盟諸国首脳会議はどのような仕組みで機能するか

非同盟諸国首脳会議は、加盟国の合意に基づいて共同宣言や決議を採択する形で機能する。国際機構ではなく加盟国が自発的に協力する「運動」であるため、組織としての拘束力は弱いが、政治的な影響力を持つ。

会議の運用

首脳会議は開催国が主催し、全加盟国の首脳または高官が参加する。議題は世界平和と軍縮、南北問題、国連改革、地域紛争の解決など多岐にわたる。合意文書は全会一致で採択されることが慣行となっている。

加盟資格としては次の条件が原則として掲げられている。①異なる社会政治体制に基づく平和共存と民族解放を支持すること、②大国間の対立に巻き込まれないこと、③大国に関連する軍事同盟に加わらないこと、である。加えて、④二国間軍事協定を大国と結ばないこと、⑤自国に大国の軍事基地を置かないこと、などの項目も含まれる。

非同盟諸国首脳会議はなぜ組織されたか

非同盟諸国首脳会議が組織された背景には、冷戦期の二極対立に対する新興独立国の抵抗と、バンドン会議(1955年)で確認された第三世界外交の理念の制度化の必要があった。

成立の経緯

1961年9月、第1回非同盟諸国首脳会議がユーゴスラビアのベオグラードで開催された。主導したのはユーゴスラビアのチトー、エジプトのナセル、インドのネルー、インドネシアのスカルノ、ガーナのエンクルマなどであった。参加は25か国、オブザーバー3か国であった。

冷戦の緊張が高まる中で、新興独立国は大国間対立に巻き込まれないことを改めて確認した。会議はまた、国連改革、植民地独立、軍縮、南北問題など共通の課題を掲げ、独自の国際的立場を主張した。

非同盟諸国首脳会議と現代国際秩序はどう関わるか

非同盟諸国首脳会議は、冷戦終結後も存続している。むしろ加盟国数は冷戦期より増え、グローバル・サウスの連帯の場として新たな意義を持ちつつある。

冷戦後の展開

冷戦終結により「どの陣営にも属さない」という元来の意義は失われたが、会議は発展途上国や新興国の共同の立場を主張する場として機能し続けている。近年の会議では、気候変動、デジタル格差、感染症対策、国連改革などが主要議題となっている。

2019年のアゼルバイジャン・バクー会議、2024年のウガンダ・カンパラ会議など、会議は継続的に開催されている。米中対立が新しい形の二極化を生む中で、非同盟運動は新たに意味を持ち始めているとの分析もある。

現代の意義

中国の台頭、ロシアの西側との対立、アメリカの単独行動主義などが複雑に絡み合う現代国際政治において、非同盟諸国の集合的立場は新たな注目を集めている。インド、ブラジル、南アフリカなど、非同盟の主要加盟国は現代国際政治の主要アクターとなっている。

非同盟諸国首脳会議は、国連の枠外でグローバル・サウスの声を集約する重要な場として、冷戦期とは異なる形で現代の国際政治に影響を与え続けている。

監修者 taisa68
最終更新日 2026-04-23