個人と社会
功利主義によって、社会はどのように改良されるべきだと考えられたか?
個人と社会の調和―功利主義―
近代では資本主義が成立したが、個人の利益と社会の利益の対立、不平等や貧困が問題となった
→社会の改良をめざす思想があらわれた
やのなど
cf.
個人が自分の利益を自由に求めることが社会の利益をもたらす
人は他人からされることを欲して利己心を抑えるようになると考えた
主著『道徳および立法の諸原理序説』
人々の幸福を増やす行為を正しい行為とし、人々の幸福を減らす行為を不正な行為とする
あらゆる人はを求め、を避ける
→この原則に従えば、を生み出す行為が最も正しい行為となる
:行為の正しさは幸福という結果のうちにある
議会制度の改革を行い、意思決定の方法として単純なを採用すべきである
功利主義は利己主義とは異なり、社会の幸福を目的としている
社会は個人からなっており、社会の幸福は個人の幸福を合計したもの
→社会の幸福が増えることは個人の幸福が増えることでもある
その意味で両者は調和する
=最大多数の最大幸福を実現することで個人の利益と社会の利益の調和をはかる
個人の利己心を抑える外的な「」の働きを重視
ベンサムの立場はと呼ばれる
社会全体の幸福の総量を求めるとき、誰もが等しく1人として数えられなければならない
主著『自由論』『功利主義』
ベンサムの功利主義を受け継ぎながらも、それをいくらか修正した
ミルは快楽の質も問題した
肉体的な快楽よりもを求めるようになる
cf.「満足した豚であるよりも不満足な人間であるほうがよく、
満足した愚か者であるよりも不満足なソクラテスであるほうがよい」
『』で快楽に質の差があることを強調した
各人に精神的自由が与えられているという点で幸福であると述べた
『』で政治的表明の機会を保障するためにの確立が必要である
内的な制裁である「」の働きを重視した
ミルの立場はと呼ばれる
とをにおいて尊重すべきである
正しい行為とはどのような行為か―帰結主義と義務論―
帰結主義と義務論では、どのような行為が正しいとみなされるのだろうか?
正しい行為とは善い結果を生み出す行為であるとする考え方
代表例:ベンサムやミルの功利主義
正しい行為とは(結果にかかわりなく)守るべき義務に合致する行為であるとする考え方
代表例:カントの倫理学
帰結主義と義務論はしばしば対立する
災害などで傷病の緊急度や重症度に応じて治療の優先順位を決める
e.g.黒い札……助かる見込みがないため、治療を断念して別の要治療患者を治療
帰結主義:助かる見込みのある人を優先することで、より多くの人の命を救うことになる
→トリアージに賛成
義務論:命を選別することは、すべての人を公正に扱う義務に反する
→トリアージに反対
命の選別を行う際にはケアが必要である
社会の変革―マルクス―
資本主義の成立
18世紀後半のイギリスで始まった
産業界はからに移行
→の成立:資本家と労働者という階級が形成される
資本主義経済の矛盾や欠陥を批判・修正するが台頭
資本主義の問題を克服するために、社会そのものを変革して、新しい社会を作ろうとする
資本主義:財産の私有と自由な競争にもとづく
社会主義:財産の共有と生産の協同にもとづく
19世紀ドイツの経済学者・哲学者
人間を他者との社会的関係の中で生きるとして捉える
人間の本質と生産の源泉をに見出す
→と『』を著した
資本主義の社会では、労働の生産物や労働力は資本家のものである
労働者は生産物や労働からされ、人間らしく生きることができない
「労働の疎外」:労働者のものであったはずの労働が労働者を苦しめている
→労働者の人間性を回復するために、社会主義の社会を打ち立てなければならない
『』
労働者はそのの再生産に必要な賃金以上の価値を生んでいる
それがをもつ資本家により搾取されているというを唱えた
一定のに応じて結ばれるが社会の土台となっている
→
歴史の発展を社会の物質的な生産力と生産関係の的な発展と捉える歴史観
社会の社会様式であるが政治制度や法律、文化などのを規定する
生産力は次第に増大するが、生産関係は変更されにくいため、両者の間に矛盾が生じる
生産にかかわる階級間の対立()が激しくなる
→生産関係の変革(、)
労働者が革命を起こして、生産関係をかえることによって、社会が社会主義に移行すると主張
:ドイツのとによって確立された
:イギリスのやフランスの、らが主張
:労働者が革命によって共産主義の政権の設立をめざす
:議会を通して社会主義を実現することをめざす