CIS(独立国家共同体)
CIS(独立国家共同体)とは何か
CIS(独立国家共同体)は、1991年12月のソ連解体に伴い、旧ソ連構成共和国によって設立された緩やかな国家連合である。Commonwealth of Independent Statesの略称で、ロシア語ではСНГと呼ばれる。
設立の経緯
1991年12月8日のベロヴェージ合意でロシア、ウクライナ、ベラルーシの3共和国首脳がCIS設立に合意した。12月21日のアルマ・アタ宣言でバルト三国とジョージアを除く旧ソ連11共和国が加盟した。
性格
CISは主権国家連合の性格を持ち、EUのような超国家機関ではない。加盟国の任意協力を基礎とし、政治・経済・安全保障の各領域で協調を進める枠組みとして機能してきた。
CISはどのような役割を果たしたか
CISは旧ソ連地域の急激な解体に伴う混乱を抑え、経済関係の継続、国境画定、債務・資産の分割、核兵器の継承などを平和裏に進める役割を担った。ソフトランディングのための枠組みであった。
核兵器の一元管理
旧ソ連の核兵器はロシアへの集中管理で合意され、1996年までにウクライナ、ベラルーシ、カザフスタンから核兵器がロシアへ移送された。これは核拡散防止の観点から極めて重要な成果となった。
経済関係の維持
CIS諸国間では自由貿易協定、CIS経済連合などの枠組みが形成され、旧ソ連期の経済的相互依存を部分的に継承した。2010年代以降はロシア主導でユーラシア経済連合(EAEU)へと再編された。
CISはどのような変遷をたどったか
CISは設立以来、加盟国間の対立と協調、機能の拡大と縮小を繰り返してきた。ロシアと他諸国の関係の変化を映す鏡として機能してきた。
加盟国の変動
ジョージアは2008年の南オセチア紛争を受けて脱退し、ウクライナは2014年のクリミア併合後に事実上脱退した。2023年時点ではロシア、ベラルーシ、カザフスタンなど9カ国が加盟する緩やかな枠組みとなっている。
集団安全保障条約
1992年の集団安全保障条約は後にCSTOへと発展し、ロシア、ベラルーシ、アルメニア、カザフスタン、キルギス、タジキスタンが加盟している。軍事同盟としての性格を持ち、NATOに対応する枠組みを形成した。
CISは現在どのような意味を持つか
CISは加盟国間の格差や対立により統合の深化は進まなかったが、旧ソ連地域の基本的な協力枠組みとして機能し続けている。ロシアの対外政策の舞台として、冷戦後の国際政治の一局面を形づくる。
ロシアとの関係
CISはロシアの影響圏(ニア・アブロード)として機能してきたが、加盟各国は中国、EU、トルコなど多方面との関係を重視する多国間外交を進めている。ロシアの相対的影響力は緩やかに低下してきた。
ウクライナ危機の衝撃
2022年のロシアによるウクライナ侵攻はCISの枠組みに決定的打撃を与えた。ウクライナの正式脱退が進められ、他の加盟国もロシアとの距離を再考する動きが続いている。CISの今後は極めて流動的である。