スター・ウォーズ
スターウォーズとは何か
スター・ウォーズは、レーガン政権が1983年に打ち出した戦略防衛構想(SDI)の通称である。宇宙空間に防衛兵器を配備してソ連の大陸間弾道ミサイルを迎撃する構想であり、SF映画「スター・ウォーズ」になぞらえて呼ばれた。
呼称の由来
1977年のジョージ・ルーカス監督の映画「スター・ウォーズ」が宇宙戦闘を描いたため、宇宙からのミサイル迎撃を想定した構想は批判者から皮肉を込めてスター・ウォーズ計画と呼ばれた。その後、この呼称が一般化した。
呼称の含意
SF的発想に基づく非現実的な計画との批判的意味合いがあった。一方で、壮大な防衛構想のインパクトを伝えるのにも役立ち、広く知られるきっかけとなった。
計画はどのような内容だったか
計画は大気圏外での衛星迎撃、宇宙配備レーザー、粒子ビーム兵器、運動エネルギー衝突迎撃など多層的な防衛システムから構成された。これらを統合してソ連ICBMを発射から再突入までの各段階で迎撃する。
多層防御の仕組み
弾道ミサイルは発射直後のブースト段階、中間段階、大気圏再突入段階と推移する。スター・ウォーズ計画では各段階で異なる迎撃技術を用いて多層的に打ち落とす計画であった。
中心となった技術研究
X線レーザー、ニュートラル粒子ビーム、化学レーザー、電磁レールガンなど先端兵器の基礎研究が進められた。大規模予算が投じられたが、ほとんどは実用化に至らなかった。
国際政治上の影響はどうだったか
スター・ウォーズ計画は米ソ関係と軍備管理に大きな影響を与えた。1986年のレイキャビク米ソ首脳会談では核兵器廃絶案の合意が計画の扱いをめぐって決裂した。
レイキャビク会談の決裂
レーガンとゴルバチョフは戦略核兵器の大幅削減に原則合意したが、レーガンがSDIの実験継続を譲らなかったため最終合意には至らなかった。ただし議論で示された削減案は後のINF全廃条約とSTARTⅠへ受け継がれた。
ソ連経済への圧力
ソ連は対抗するシステム開発の検討を迫られ、経済的負担を増した。これがペレストロイカの必要性を高め、間接的に冷戦終結を促した側面がある。
スターウォーズは現代にどうつながるか
計画自体は完成せずに冷戦終結を迎えたが、その発想はその後のミサイル防衛政策に継承された。現代の米軍の宇宙軍創設や極超音速兵器対策の議論にも、スター・ウォーズの系譜が流れている。
ミサイル防衛への継承
1990年代のGMD(地上配備型中間段階迎撃)や2000年代のPAC-3、イージスBMD、THAADなどはスター・ウォーズ研究の蓄積の上に構築された。包括的な宇宙兵器化は避けられたものの、限定的迎撃は実用化された。
宇宙の戦場化の懸念
現代では中国・ロシア・インドが衛星破壊兵器の開発を進めており、スター・ウォーズ計画がもたらした宇宙の軍事化は現実の課題となっている。宇宙空間の平和利用をめぐる国際規範形成が進められている。