包括的核実験禁止条約(CTBT)
包括的核実験禁止条約(CTBT)とはどのような条約か
包括的核実験禁止条約(CTBT: Comprehensive Nuclear-Test-Ban Treaty)は、1996年9月に国連総会で採択された、爆発を伴う核実験を全面的に禁止する条約である。「包括的」とは、爆発的な核実験をすべての環境(大気圏・水中・地下・宇宙空間)で禁止することを意味し、1963年のPTBT(部分的核実験停止条約)が禁止していなかった地下核実験も対象に含める。条約発効には核関連能力を持つ44か国すべての批准が必要という厳しい条件が設けられており、アメリカ・中国・インドなどが批准していないため、採択から30年近くを経ても未発効の状態が続いている。
CTBTはどのような仕組みで核実験を監視するか
条約にはCTBTO(包括的核実験禁止条約機関)が設立されており、世界規模の監視システム(IMS: International Monitoring System)を運用している。地震波・水中音響・超低周波音・放射性核種(放射性物質の大気中への拡散)の4種類のデータを監視することで、世界中の核爆発を検知する仕組みである。北朝鮮が実施した6回の核実験(2006〜2017年)はすべてこのシステムによって検知された。条約が発効していなくても、CTBTOの監視システムは機能しており、核実験の透明性向上に貢献している。
CTBTの未発効と意義
CTBTが未発効である主な原因は、発効要件国44か国のうち8か国(アメリカ・中国・インド・パキスタン・イスラエル・イラン・エジプト・北朝鮮)が批准していないことである。特にアメリカは1999年に上院が批准を否決し、今も批准していない。しかし批准していない国も実際には核実験を自制している国が多く、CTBTは「実質的な規範」として機能しているとも評価される。条約が発効しないと協定違反国に対する制裁措置の根拠が弱くなるため、早期発効を求める国際的な働きかけが続いている。1995年のNPT無期限延長に際し、CTBT採択が約束されていたため、非核保有国にとってCTBTの未発効は核保有国の不誠実さの象徴ともなっている。