国際連盟
国際連盟の成立と目的
国際連盟は、第一次世界大戦後に設立された最初の本格的な国際平和機構である。戦争の再発防止を目的とし、集団安全保障の考え方を制度として具体化した点に大きな意義がある。
成立の経緯
国際連盟は、1919年のパリ講和会議でその設立が決まり、ヴェルサイユ条約に規約が組み込まれた。1920年に正式に発足し、本部はスイスのジュネーヴに置かれた。
その背景には、第一次世界大戦の甚大な被害と、勢力均衡だけに頼る国際秩序への反省があった。ウィルソンの平和原則14ヵ条は、その設立理念を方向づけた。
集団安全保障のしくみ
国際連盟の中心にあったのは、加盟国が協力して侵略を抑える集団安全保障の発想である。加盟国の一国が侵略を行えば、それに対して全体で制裁を加え、戦争拡大を防ぐ構想であった。
また国際紛争の平和的解決や、労働、衛生、人道などの分野での国際協力も進めた。国際労働機関など、現代の国際協力につながる制度もこの時期に整えられた。
国際連盟の限界と崩壊
国際連盟は画期的な制度であったが、国際政治の現実に対しては脆弱でもあった。その失敗は、国際連合の設計に大きな教訓を与えた。
構造的な弱点
最大の弱点は、提唱国アメリカが加盟しなかったことである。さらに意思決定が全会一致制に依存し、迅速で強力な対応が取りにくかった。
加えて、国際連盟には自前の軍事力がなく、制裁も主として経済制裁に限られた。侵略国を認定しても、加盟国が本気で協力しなければ実効性は生まれなかった。
侵略を止められなかった理由
1930年代には、日本の満州事変やイタリアのエチオピア侵攻、ドイツの対外拡張などが相次いだ。しかし国際連盟はこれらを有効に止められなかった。
この失敗は、理想だけでは平和を守れないことを示した。第二次世界大戦後に国際連合が設立された際には、安保理と常任理事国を中心とする、より現実的な枠組みが採用された。
他の用語との関係
国際連盟は、平和原則14ヵ条、ウィルソン、パリ講和会議、集団安全保障をつなぐ制度的な中心である。国際連合を考える際にも、制度の限界がどこにあったかを示す先例になる。