第1章 世界の姿

緯線

緯線

緯線とは何を表す線なのだろうか

緯線は、地球上で同じ緯度を結んだ線のことである。赤道を基準に北または南に同じ角度の位置を結ぶ円になり、地球を輪切りにした断面の円周にあたる。地球儀や世界地図で「横方向に走る線」として描かれ、経線(縦方向の線)とともに地球の位置を表す格子を形づくっている。

緯線はどんな形をしているのか

緯線は、赤道を最大の円として、極に近づくにつれて円周が小さくなる。赤道は地球の円周(約4万キロメートル)とほぼ等しい長さを持つ最大の緯線である。北緯45度や南緯45度の緯線は赤道よりも短く、北極点・南極点では緯線は一点に収束する。

緯線は互いに平行で、交わらない。地球上の任意の点から東西方向に一周すれば必ず同じ緯線上を通ることになる。

緯線には特別な線があるのか

緯線の中には、地球の気候や天文に結びついた特別な線がある。赤道(緯度0度)は太陽が春分・秋分の日に真上を通る線で、熱帯気候の中心となる。北回帰線(北緯23.4度)と南回帰線(南緯23.4度)は、夏至・冬至に太陽が真上を通る北限・南限である。北極圏(北緯66.6度)と南極圏(南緯66.6度)は、白夜・極夜が生じる緯度の境界となる。

これらの線は単なる目印ではなく、地球の自転軸の傾き(約23.4度)と太陽との関係から必然的に定まる境界線である。

緯線はなぜ「線」として地図に描かれるのか

現実の地球には実際の線があるわけではなく、緯線は人間が位置を表すために想定した仮想の線である。ただし、地図や地球儀に描くことで、どの地点がどれくらいの緯度にあるか、視覚的に理解できるようになる。

通常、世界地図では10度ごと、教科書地図では15度または30度ごとに緯線が描かれる。これらの線を辿ることで、ある地点の緯度を概算できる。

緯線は気候や生活とどう関わっているか

緯線は気候帯の分布と深く結びついている。赤道付近の低緯度は熱帯、中緯度は温帯、高緯度は寒帯という分布は、緯線を基準に整理して考えると理解しやすい。農業の可能地域、森林帯の分布、人口密度のおおよその分布も、緯線を基準に整理することができる。

また、緯線は航路や航空路を考えるうえでも重要である。緯度が高いほど赤道からの距離が大きくなり、同じ緯度を東西に移動する際の実際の距離は緯線の長さに応じて短くなる。高緯度の航路では経度1度分の距離が赤道よりも短い、という事実は実務航行で考慮される。

監修者 taisa68
最終更新日 2026-04-22